アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの度量衡システムが物造りの底辺の拡大を阻害していないだろうか?―――草の根評論家の見るアメリカ物造り衰退の原因(その3)
アメリカのヤードポンド法に関してはまだややこしいことがあります。

IMG_1808_1_1.jpg
(ヤードポンド法の長さ単位のWhitworth-Inch対照表―ーややこしいです)


ウィットワースシステム(Whitworth system)並存である

ただでさえインチの桁数の多い小数を駆使しなければならないヤードポンド法。この長さの単位では、これにさらに分数で表されるウィットワースシステムが並存しています。

ウィットワースシステムはねじのサイズ整備から始まったシステムの様で、1インチを64等分してその中の長さを分数で表すものです。

即ち1 /64” (One sixty-fourth)が0.0156インチ。これから始まり64 / 64が1インチとなるものです。1インチを超えると1- 1 / 64”となっていきます。

これは一部日本でもネジで混在して使われていますが、こちらではネジ、丸棒の径、パイプの径、板材の幅、等で少数のインチと混在して使われています。

先日取り上げた、いちろうのプロジェクトであった事例の0.75インチの長さのパイプの製品です。この外径が0.8125インチで指定されています。この材料購入のために、材料屋さんに注文します。その時のパイプ材の呼び径がこのウィットワース、分数になっています。

そこでこの対照表を見て(写真のような物です)13 / 16”を選びこれを選定購入手配に入ります。

順調に行けば世の中楽ですがそうは行きません。もしこのサイズのパイプがない時には多少大きいか、小さいパイプを使用します。この時にはメートル法は楽です。「20mmのパイプが無ければ22mmのパイプにしよう」とすぐ変更が出来ます。

ところがこのヤードポンド法では、①表を見て、②次の大きな規格のパイプ径を仮に設定。この場合 7/ 8”、③その7 / 8”に相当するインチ0.875をみる、④この0.875インチと最初の0.8125インチの差0.0625インチが代替しうる適正な外径差かジャッジする、という過程を踏みます。

これは専門家であれば瞬時に分かる内容かも知れません(と、アメリカ人は言う。いちろうは懐疑的)が、ここで問題にするのは、物造りの底辺を支えている多くの人々にとってややこしくはないか?ということです。



アメリカは宇宙開発、航空産業は世界のトップを走っています。物造り大国の日本では宇宙ロケットの打ち上げには四苦八苦しています。かようにアメリカでは開発システム、それを支える人材、度量衡システム自体は問題は無いのだろうと思います。

しかし自動車や家電のように大量生産の世界になると、多くのもの造りの底辺を支える人材が必要です。この底辺の人々にとってヤードポンド法は取り組みにくい物になっているのではないでしょうか?
スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック